遺伝子治療の最前線・14
TK遺伝子導入による癌治療—IL-2遺伝子共導入による効果増強
山口 佳之
1
,
高島 郁博
1
,
檜原 淳
1
,
峠 哲哉
1
Yoshiyuki YAMAGUCHI
1
1広島大学原爆放射能医学研究所腫瘍外科
pp.1063-1066
発行日 1998年8月20日
Published Date 1998/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903261
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はじめに
遺伝子工学の進歩により体細胞に遺伝子を導入し,細胞が本来有しない,あるいは低発現している機能を誘導・増強することが可能となった.この進歩は癌治療の研究にも多大な影響を与え,遺伝子導入による治療,すなわち遺伝子治療がまさに21世紀の癌治療として研究・応用されている.Thymidine kinase(TK)遺伝子を用いた治療戦略はその代表的なものであり,すでに海外では臨床応用もなされている.本稿では癌に対するTK遺伝子治療について概説し,教室の研究と合わせ,今後の方向性について検討する.
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