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動脈硬化とサイトカイン/学校検尿で見つかる良性の一過性円柱
齋藤 康
1
,
金子 治司
2
1千葉大学医学部第二内科
2神奈川県予防医学協会検査第二部一般検査科
pp.518-520
発行日 1995年6月1日
Published Date 1995/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902426
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はじめに
動脈硬化の成り立ちには多くの因子が関与しており,そのプロセスも複雑であり,必ずしもその機序の全貌が明らかにされているわけではない.その中で動脈硬化巣にはいくつかの細胞が出現してきて,それが互いに作用し合って病巣を作っていくことが明らかにされてきた.例えば“response to injury”説1)にみられるように,内皮細胞の障害はそこに血小板を凝集させ,さらにみずからは平滑筋細胞を呼び寄せ,その平滑筋細胞は遊走や増殖にオートクライン(autocrine)を示し,さらに内皮細胞は単球を呼び寄せ,接着をさせ,これにはマクロファージの働きも示されるのである.このようないわゆる細胞間相互作用というべき働きをつかさどっているものにサイトカインがある.すなわち細胞と細胞との間のメディエーターである.これには極めて多くのものが挙げられているが,主なものについて述べたい.
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