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特集 循環器医からみた糖尿病治療薬の考え方・使い方
動脈硬化性疾患とアディポサイトカイン,インスリン抵抗性
Atherosclerosis and Adipocytokine, Insulin Resistance
窪田 哲也
1
,
窪田 直人
1
,
門脇 孝
1
Tetsuya Kubota
1
,
Naoto Kubota
1
,
Takashi Kadowaki
1
1東京大学大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科
1Department of Metabolic Diseases, Graduate School of Medicine and Faculty of Medicine, The University of Tokyo
pp.561-566
発行日 2008年6月15日
Published Date 2008/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101048
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はじめに
現在わが国では,糖尿病をはじめ,高血圧,高脂血症などの動脈硬化の危険因子が重積する,いわゆるメタボリックシンドロームが急増しており,その結果,心筋梗塞や脳梗塞といった動脈硬化性疾患が死因の第一位を占めるようになっている.その背景には食生活の欧米化や車の普及などによる運動不足といった生活習慣に基因する肥満,そしてそれによって引き起こされるインスリン抵抗性が存在すると考えられている.そこで,肥満やそれに伴うインスリン抵抗性の機序の解明と,それに立脚した予防法や治療法の確立が動脈硬化性疾患の予防に重要である.脂肪組織は余剰のエネルギーを中性脂肪として貯蔵する機能に加え,アディポネクチンを筆頭に,レプチン,MCP-1,TNFαなどの種々の生理活性分子アディポサイトカインを分泌する内分泌器官としての働きが報告され,注目されている.
本稿では,アディポネクチンを中心に動脈硬化との関連について概説したい.
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