増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅳ.無散瞳カメラによる眼底検査法
3.検査の実際 画像の読みかた
清水 一之
1
1東京大学医学部眼科学教室
pp.262-268
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902372
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これまで,眼底検査の意義や眼球の構造について述べてきたが,以下に実際の眼底写真を供覧し,それぞれの所見につき解説する.まず正常の眼底写真について解説し,その後に集団検診などで遭遇する機会が比較的多いと思われる疾患の眼底写真について解説する.まず,図1に正常眼底写真を示す.中央やや右側にあるのが視神経乳頭である.
視神経乳頭は黄味を帯びた白色のやや縦長の円盤で,長径が約1.6mmである.網膜の神経線維は視神経乳頭より眼外に出ていく.視神経乳頭の耳側にあるやや黄色で無血管の部分とその周囲を黄斑という.黄斑は眼底の中心であり,外界の物体を注視するときにその像が結ばれる部分であり,視力を担当する部位である.黄斑はその周囲よりも網膜の厚さが薄く,厚さの変わる移行部に黄斑輪状反射がある.
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