増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅲ.熱画像検査法
3.検査の実際 検査の進めかた
永江 学
1
,
星川 久義
1
1聖マリアンナ医科大学病院臨床検査部
pp.237-241
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902362
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はじめに
今から約2,000年前に,ヒポクラテスが「身体の一局部が他の部位に比して高温か,あるいは低温を示すとき,その局部に病気が存在する」と述べているように,体温測定と医学との関係は古来より極めて深いものがあるが,皮膚温という,ごく手近にある情報が日常の臨床に利用されるようになってきたのは1960年ごろからである.サーモグラフィとは,物体表面温度の分布状態を図または像として表す方法であり,医学では人体皮膚温や粘膜温を測定することになる.現在サーモグラフィ装置として2種類の装置がある.1つは従来より行われている赤外線サーモグラフィ法と,近年開発された液晶を用いたコンタクトサーモグラフィ法である.後者のコンタクトサーモグラフィ法は主に乳腺疾患に用いられている.
サーモグラフィ検査の利点として次のようなことが挙げられる.
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