増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅰ.超音波検査法
3.検査の実際
4)産婦人科領域
画像の読みかた
馬場 一憲
1
1東京大学医学部附属医用電子研究施設臨床医学電子部門
pp.100-109
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902327
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子宮
1.子宮の描出
婦人科内性器を超音波診断装置で観察する場合は,繰り返し述べているように,膀胱に尿が十分たまった状態で検査を行う.膀胱充満下では,子宮は容易に描出される(図3).最近の性能の良い装置では,子宮内膜像も観察できる.子宮内膜像は,月経後の卵胞期ではパイポエコイック(周囲より黒く)に,月経前の黄体期ではハイパーエコイック(周囲よりも白く)に観察される.
子宮内膜は,子宮中央に前後方向に扁平に観察される.もし,子宮筋層が子宮内膜に対して,前後左右で非対称であれば,子宮筋腫などの異常を疑う必要がある.また,閉経後の婦人では,子宮内膜は萎縮して観察されないはずであるが,厚く明瞭に観察されるときは,子宮体部癌(内膜癌)の疑いがあり,直ちに産婦人科に紹介する必要がある.
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