技術講座 生理
呼吸機能検査の進めかた
金野 公郎
1
,
若井 安理
1
1東京女子医科大学第一内科
pp.1006-1010
発行日 1987年8月1日
Published Date 1987/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204229
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肺機能検査は従来,肺内におけるガス交換の効率を評価する検査法として臨床に導入され,生理学的な肺のbiopsyとしての意味合いを強く持ちながら,さまざまな手法が開発されてきた.しかし近年,呼吸器内科領域に睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)や呼吸筋不全などの新しい臨床概念が登場し,同時に肺機能検査の評価目標も単に肺内におけるガス交換にとどまることなく,ガス交換の効率に大きな影響を及ぼす換気調節機構やair vital pumpとしての呼吸筋機能へとしだいに転じ,同時に肺機能検査の守備範囲も肺機能から呼吸機能へとより広い視野のもとに新しい展開を遂げつつある現況にある.
本稿では呼吸機能検査の選びかたと評価手順および最近話題となっている換気調節機構の検査法について解説する.
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