増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
Ⅰ.ホルモン
2.甲状腺・副甲状腺
(4)TSH受容体抗体
玉置 治夫
1
,
網野 信行
1
1大阪大学医学部臨床検査診断学
pp.110-112
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901903
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自己免疫性甲状腺疾患の患者血中には,種々の甲状腺自己抗体が存在する1).その中でもTSH受容体抗体(TSH receptor antibody;TSH-RAb)は,バセドウ病における甲状腺中毒症および一部の甲状腺機能低下症の発症原因と考えられ,したがってその抗体の測定は日常臨床において,疾患の診断および経過観察には必要不可欠と考えられている1,2).
TSH-RAbの測定法については,従来さまざまな方法が開発されてきた(表).このうちラジオレセプターアッセイによる抗体の測定法はキット化され,現在わが国では普及して用いられている3).ここではこの測定法を中心に述べる.
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