検査法の基礎
TSH受容体抗体
高須 信行
1
1琉球大学医学部第2内科
pp.783-789
発行日 1993年9月1日
Published Date 1993/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901666
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サマリー
TSH受容体抗体(TSH receptor antibodies;TRAb)として一般に測定されているのはTSHのラジオレセプターアッセイを用いるTSH結合阻害性免疫グロブリン(TSH-binding inhibitory immunoglobulins;TB ll)である.キットとして市販されている.このキットによりTSH受容体抗体の測定が簡便,正確に行われるようになった.しかしこのTB ll測定ではその抗体が甲状腺を刺激するのか,抑制するのかはわからない.そこで,培養甲状腺細胞を用い,TSAb(thyroid stimulating antibodies)とTSBAb(thyroid stimulation blocking antibodies)を測定する.バセドウ病ではTSAbが,また,一部の橋本病による甲状腺機能低下ではブロッキング抗体TSBAbが陽性になる.TSAbは甲状腺機能亢進症の,TSBAbは甲状腺機能低下症の原因になる.
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