今月の主題 内分泌疾患診療と研究の最前線
甲状腺疾患—診断法の進歩
新生児自己免疫性甲状腺疾患とTSH受容体抗体
玉置 治夫
1
,
網野 信行
1
1大阪大学医学部臨床検査診断学講座
pp.321-324
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907906
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ポイント
●新生児に発生する甲状腺機能異常症のうち,母体血中のTSH受容体抗体が経胎盤性に胎児に移行して発症するものに,新生児甲状腺中毒症(新生児バセドウ病)と新生児一過性甲状腺機能低下症がある.
●妊娠末期の母体血中のTSH受容体抗体価が高いほど発症する可能性は大きく,抗体価を測定することにより発症予測が可能である.
●出生後は,抗体が血中から消失するにつれて症状も軽減するため,治療に注意が必要である.そして血中から抗体がなくなれば,治療も不必要となる.
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