増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
Ⅰ.ホルモン
2.甲状腺・副甲状腺
(5)サイログロブリン
加藤 亮二
1
1信州大学医療技術短期大学部衛生技術学科
pp.113-115
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901904
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サイログロブリン(thyroglobulin;Tg)は甲状腺濾胞上皮細胞で生合成され,濾胞腔に分泌・貯蔵されている.Tgは正常甲状腺組織湿重量1g当たり50〜100mg含有し,等電点4.5,アミノ酸5,496個と10%の糖成分から成る分子量66万(沈降係数19S)のヨウ素化糖蛋白質であり,甲状腺ホルモン(T3,T4)の合成の場として機能する重要な物質である.
最近,cDNAからTgの一次構造1)が明らかにされ,Tgエピトープ解析から自己免疫応答機序や他物質との相同性および共通抗原性などが解明されつつあり,従来の甲状腺癌をはじめとする甲状腺各疾患のTg測定意義に加えて具体的な成果が期待されている.
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