検査法の基礎
Helicobacter pyloriの検査法
後藤 陽一郎
1
,
松本 悠輝
2
,
久保田 利博
2
,
藤岡 利生
2
,
那須 勝
2
1大分医科大学臨床検査医学
2大分医科大学内科学第二講座
pp.1061-1066
発行日 1993年12月1日
Published Date 1993/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901746
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サマリー
Helicobacter pyloriは,1983年に初めてヒトの胃粘膜から分離培養され,その後多くの研究者によりH.pyloriと胃・十二指腸疾患に関する研究が行われてきた.本菌は,極多毛性(3〜6本)の鞭毛を有するらせん状のグラム陰性桿菌である.分離培養は微好気高湿度環境下で,37℃,3〜5日と長期間必要である.そのため迅速診断法として,本菌の持つ強いウレアーゼ活性を利用するrapid urease test,14Cまたは13C尿素呼気検査法,CLOテストなどがある.また胃液中のアンモニア濃度を測定したり,ELISA法による血中抗体価は有用な補助診断法となる.
本稿ではH.pylori感染症を診断するための種々の検査法について概説した.
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