生体のメカニズム 脂質代謝・3
LPLとHTGL
白井 厚治
1
1東邦大学医学部臨床生理機能学
pp.211-216
発行日 1993年3月1日
Published Date 1993/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901428
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はじめに
リポ蛋白リパーゼ(lipoprotein lipase;LPL)は末梢血管内皮細胞表面に存在し,血流中のカイロミクロン,超低比重リポ蛋白(very low density lipoprotein;VLDL)-中性脂肪を分解する酵素である.本酵素が臨床的に重要であるのは本酵素活性低下によって,これら中性脂肪に富むリポ蛋白異化低下を生じ,高カイロミクロン血症,高VLDL血症が引き起こされるからである.
肝性リパーゼ(hepatic triglyceride lipase;HTGL)は肝細胞表面に存在し,やはり血流中の中性脂肪を分解する酵素であるが,リポ蛋白リパーゼと異なり,主に中間型リポ蛋白(intermediate density lipoprotein;IDL)-中性脂肪を分解する.したがって,その活性低下は高IDL血症をもたらす.
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