検査法の基礎
病理診断における免疫組織化学と電子顕微鏡の意義—軟部組織腫瘍診断を中心として
亀井 敏昭
1
,
佐久間 暢夫
2
,
石原 得博
2
1山口県立中央病院病理科
2山口大学医学部第一病理
pp.111-117
発行日 1993年2月1日
Published Date 1993/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901395
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サマリー
病理学的検査は炎症や腫瘍などの確定診断に威力を発揮する.最近は免疫組織化学や電子顕微鏡的観察がこの分野にルーチンに応用されるようになり,ことに軟部組織腫瘍などの確定診断には,これら2つの検査法が有効とされる症例も少なくない.
本稿では,病院病理の現場で経験する軟部組織腫瘍について,どのような蛋白が腫瘍マーカーとして利用されているかについて述べた.また,電子顕微鏡的所見の一般的知識とともに,これらの所見が診断根拠となるような軟部組織腫瘍の例を挙げ,その電顕所見を具体的に示した.この2つの検査法は専門的知識に加え,訓練された技術を必要とする.したがって,これらの方法を診断困難な症例に対して応用する際には,それぞれの検査の特徴と限界を十分に認識する必要性があることを強調したい.
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