技術講座 生化学
イオン交換樹脂クロマトグラフィー
松崎 廣子
1
1東京警察病院中央検査第一部
pp.119-124
発行日 1993年2月1日
Published Date 1993/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901397
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サマリー
イオン交換樹脂クロマトグラフィー(IEC)は多成分系試料から分離目的物質を精製分取,分析を行う優れた手段である.樹脂上の解離基とイオン化させた目的物質が対イオン(一般にはCl-やNa+)の存在のもとに相互作用し,その強弱に従って弱い物質から順次溶出させる穏やかな方法である.したがって酵素やホルモンなど不安定な生体活性物質ではその活性を失わずに精製や分析を行うことが可能である.このことから生体試料の分離や分析の手段として欠くことのできない方法である.
ここではIECの原理と特徴を簡単に説明し,さらにLDアイソザイムの精製分取および分析の実験例について解説した.
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