マスターしよう検査技術
蛍光in situハイブリダイゼーション法とその応用
稲澤 譲治
1
,
有山 武志
1
,
阿部 達生
1
1京都府立医科大学衛生学教室
pp.815-822
発行日 1992年9月1日
Published Date 1992/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901269
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
染色体in situハイブリダイゼーション(ISH)法は,クローン化されたDNA断片を染色体DNAとハイブリダイズし,雑種形成部をシグナルとして染色体の形態とともに顕微鏡下で検出する手法である.ISHの導入は,染色体解析に分子レベルの裏づけを持たせたものといえ,ゲノム解析の中でも重要な手法となっている.特にプローブをビオチンなどの非RI化合物で標識し,シグナルを蛍光物質で検出するfluorescent insituハイブリダイゼーション(FISH)法が開発されたことで,染色体マッピングのみならず,染色体ペインティングや間期核でのクロマチン構造の解析にも利用されつつある1).
本稿では,実際にわれわれが行っているFISH法の実際の手順を解説し,染色体ペインティングをはじめ,いくつかの応用例を示す.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.