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実験講座
In situハイブリダイゼーション組織化学—神経研究への応用
In situ hybridization histochemistry
塩坂 貞夫
1
,
遠山 正弥
2
Sadao Shiosaka
1
,
Masaya Tohyama
2
1大阪大学医学部バイオメディカルセンター神経解剖
2大阪大学医学部第2解剖学教室
pp.667-675
発行日 1989年12月15日
Published Date 1989/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905407
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in situハイブリダイゼーション(ISH)テクニックは,組織切片もしくは培養細胞上でmRNAの局在を証明する方法である1)。従来より神経活性物質の組織学的同定法として免疫組織化学法が盛んに用いられてきたが,これが蛋白合成の最終産物を同定するのに対し,ISHは合成の中間体を可視化する方法ということができる。したがって,特定のペプチド,蛋白質の前駆体mRNAを可視化することにより,その物質の合成が活発に行われているかいないかの判断の助けとなりうると同時に確実にその細胞が産生細胞であるという証拠になる。このような理由で,最近ISHを行う研究者が増えてきた。ただ,私どもの研究室では,プローブとなるcDNAを入手する際の困難さを考え,むしろ,合成プローブを用いた方法を主として行っている。この方法はUhl14)やYoung8)といった人達によって発展されたもので,この手軽さと感度の良さからお薦めできると考えている。
一方,私どもの経験では長鎖の蛋白質前駆体に対するISHは,やはりcDNAあるいはこれに由来するリボプローブの方が感度の点ですぐれていると考えている。もし,合成プローブを用いてうまくいかなかった場合にはこれらの方法を試みる必要がある。
私どもは分子遺伝学の分野で素人であるので語彙,表現が不適切な場合にはご容赦願いたい。
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