特集 遺伝と臨床検査
III 染色体異常の診断
3.染色体写真
2色蛍光in situ分子雑種法
中川 均
1
,
稲澤 譲治
2
Hitoshi NAKAGAWA
1
,
Jyoji INAZAWA
2
1京都府立医科大学第3内科
2京都府立医科大学衛生学教室
pp.184-187
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901304
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●はじめに
遺伝子マッピングや細胞遺伝学の分野において,蛍光in situ分子雑種(fluorescence in situ hybridization;FISH)法は重要な手法となった.従来のオートラジオグラフィーを用いた方法に比べ,簡便で迅速に結果が得られることに加え,FISH法は異なる蛍光色素と異なる核酸プローブを組み合わせることで,2種以上のプローブを同時に分子雑種させて雑種部位を色分けして観察できる.このような手法は2色,あるいは多色蛍光in situ分子雑種法と呼ばれている.本法を用いることで,近接する複数の遺伝子の配列順序の決定や染色体異常の検出,同定などが分裂期染色体上だけでなく,間期核においても可能となった.本稿ではその原理と実際的な方法,応用について述べてみたい.
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