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蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)による腫瘍の染色体分析
渋谷 誠
1
,
長村 義之
1
1東海大学病態診断系病理学部門
キーワード:
蛍光in situハイプリダイゼーション
,
FISH
,
細胞分裂間期
,
染色体分析
Keyword:
蛍光in situハイプリダイゼーション
,
FISH
,
細胞分裂間期
,
染色体分析
pp.415-417
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901505
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腫瘍細胞では染色体数の異常や,欠失,転座などの種々の構造異常が出現し,腫瘍の発生や悪性化との関連が報告されている.これまで細胞の染色体分析は,組織培養によって得られた分裂中期染色体標本に種々の染色体分染法を用いて行われてきた.この方法は時間と手間が多くかかるばかりか,その手技に熟達を要し,しかも必ず結果が得られるとは限らないのが現状である.また,分裂中期染色体が得られたとしてもその数は少なく,しかも分裂能の高い腫瘍細胞のみから情報を得ることとなるので,1つの腫瘍に含まれる腫瘍細胞の多種性(heterogeneity)を的確に表現することが困難であった.
一方,蛍光in situハイブリダイゼーション(fluorescent in situ hybridization;FISH)は,非放射性物質(ビオチン)で標識したDNAをプローブとして,1本鎖化した染色体DNAをスライドグラス上でハイブリダイズさせ,ビオチンと親和性の高い,蛍光物質で標識したアビジンで蛍光染色し,蛍光顕微鏡下に特定部位を検出する方法である.
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