Japanese
English
実験講座
In situハイブリダイゼーション
In situ hybridization
野口 光一
1
,
仙波 恵美子
1
Koichi Noguchi
1
,
Emiko Senba
1
1和歌山県立医科大学第二解剖学教室
pp.91-97
発行日 1994年2月15日
Published Date 1994/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900708
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
In situハイブリダイゼーション(ISH)組織化学法は,最近神経生物学を含め非常に広範な医学・生物学の分野で注目を集め1),容易に利用されるようになってきている。本法は,免疫組織化学法と同様の解像度で,個々の細胞に存在する特定の核酸を検出することが可能であり,組織形態学と分子生物学を結ぶアプローチとして発展してきた。ISHは,1969年に細胞核のDNAやrRNAを捉える手段として開発されて以来,染色体上での遺伝子のマッピングの手段として数多くの改良がなされ,今では必須の手段となっている2)。
しかしながら,本法が急速に注目を集めるようになってきたのは,細胞が有するmRNA検出への応用が実用化されてからである。組織内のmRNAを検出する標準的な手段としてのNorthern blotting法では,個々の細胞もしくは細胞群における特異的な発現を検出することは事実上不可能である。この点で,ISHは,分化の非常に進んだ組織,たとえば神経組織などでは有用性がとくに高い。また,少数の細胞のみが発現するmRNAを検出する際には,Northern blotting法と比較して感度の点でも有利となる。
Copyright © 1994, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.