検査ファイル
トロポニン‐T
高木 康
1
1昭和大学医学部臨床病理
pp.604
発行日 1992年7月1日
Published Date 1992/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901217
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急性心筋梗塞の生化学的診断指標として日常的に用いられているCK,AST(GOT),LDHの血清酵素およびミオグロビンは,全身の筋細胞に存在するため,運動,筋肉運動により変動し特異性に問題があった.また,この点を補う目的で心筋特異性の高いCK-MBあるいはLD1のアイソザイム分析が提唱されたが,これらは必ずしも心筋の損傷・壊死がなくても血中に逸脱するため,正確な心筋壊死の推測ができないでいた.これら細胞質上清分画に存在する微量物質に代わり,筋肉の構成成分を筋損傷・壊死の指標として利用する考えが提唱され,本稿で述べるトロポニンは有用な指標として検討されている.
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