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生理的および病的条件下での血中ヒト絨毛性ゴナドトロピン,その遊離β-サブユニット,そしてヒト糖蛋白ホルモンのすべてに共通する遊離α-サブユニットを測定するために,われわれはモノクローナル抗体による免疫酵素定量法(IEMA)を開発した.遊離α-サブユニットは男女のすべての健常者で測定できた.男性の血清の54%でhCGが測定可能であり,46%で遊離hCGβが陽性であった.非妊娠女性では69.5%がhCG陽性であり,68.4%に遊離βサブユニットが存在した.病的状態すなわちhCG産生腫瘍について試験管内および生体内の両方で検討した.インビトロの研究として“JAR”という絨毛癌細胞系の培養上清を経時的に解析した結果,hCG,遊離hCGβ,そして遊離αは同様な変動を示した.生体での研究として,13名の睾丸癌患者を長期的に追跡調査したが,病気が寛解期であろうとなかろうと,これらの3つの物質の血中濃度は互いに平行性を示した.セミノーマ腫瘍患者の27%と非セミノーマ腫瘍患者の13%に遊離hCGβと遊離αが選択的に上昇しているため,遊離hCGβと遊離αを追加測定することにより,これらの血清における腫瘍マーカーの陽性率は15%から42%および57%から70%へとそれぞれ上昇した.
To determine the serum concentrations of human chorionic gonadotropin (hCG), its free β-subunit (hCG β), and the free α-subunit (free a) common to all human glycoprotein hormones under physiological and pathological conditions, we developed monoclonal antibody-based immunoenzymometric assays. Free α-subunit was detected in the sera of all healthy individuals of both sexes ; hCG was measurable in sera of 54% of the men, and 46% were positive for free hCG β ; in nonpregnant women, 69.5% were positive for hCG, 68.4 % for the free β-subunit. Pathological conditions, i. e., hCG-producing tumors, were studied in vitro and in vivo.
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