増刊号 尿検査法
II.各論
24.尿細胞診
(6)判定の実際・3(悪性を中心に)
荒井 祐司
1
,
都竹 正文
1
1癌研究会附属病院細胞診断部
pp.307-309
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901162
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
泌尿器系悪性腫瘍は,移行上皮癌,扁平上皮癌,腺癌,非上皮性腫瘍などがあるが,尿細胞診検査において対象となる悪性腫瘍の多くは,膀胱や尿路系(腎盂,尿管)上皮由来の移行上皮癌である.この移行上皮癌は発育形態によって乳頭状と非乳頭状に分けられ,乳頭状腫瘍は細胞および構造の異型度でG1からG3までに分類(grade分類)されている.G1は細胞および構造の異型度がもっとも弱く,G3になるにしたがって強くなっていく.この異型度は予後と密接に関係するので,細胞診からも推定することは重要である.
一般的に泌尿器細胞診としては自然尿を用いることが多いが,自然剥離による細胞変性をきたすため細胞像のみでgrade分類をすることは必ずしも容易ではない.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.