増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学
V 細胞診
総論
1 基礎知識
3 判定基準と分類
荒井 祐司
1
1癌研究会有明病院細胞診断部
pp.1135-1139
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102599
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
1 子宮頸部細胞診の分類と判定基準の変遷
わが国で細胞診検査が行われるようになった当初,細胞判定の基準としてパパニコロウ(Papanicolaou)分類が用いられた.この分類は,細胞異型の程度により正常から癌までを5段階に分けた.クラスIを正常,クラスVを癌とし,クラスIIIは良・悪性の判定が難しい異型を示すものとされ,クラスIIは異型はあるが良性の範囲内,クラスIVは癌と確定できないが悪性を強く疑う異型を示すもの,と判定基準が示されている.
1973年にわが国の婦人科,特に子宮頸部領域の細胞診報告を,パパニコロウ分類をより臨床に対応した報告様式として日本母性保護医協会(現:日本産婦人科医会)分類(日母分類)が作成され,現在まで広く用いられるようになった.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.