増刊号 尿検査法
II.各論
10.酵素
(3)γ-GTP
長 裕子
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院検査部生化学
pp.134-135
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901094
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はじめに
γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-glutamyl transpeptidase:γ-GTP,EC 2.3.2.2)はヒトの臓器分布では腎にもっとも多く,組織学的には近位尿細管刷子縁膜に高濃度に存在する.尿γ-GTPの測定は1962年Orlowskiにより初めて報告されたが,尿中のγ-GTPは血中から漏れて出てきたものではなく,腎に由来するものであるため,その測定は各種腎疾患,薬物の腎障害の病態把握のパラメーターになるとされている.本稿では,尿γ-GTPの測定に関する諸条件,正常値,臨床的意義について概説する.
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