増刊号 尿検査法
II.各論
10.酵素
(4)その他の酵素
杉田 収
1
1新潟大学医学部附属病院検査部
pp.136-137
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901095
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はじめに
ヒト尿酵素は30数種1)認められているが,日常的に測定される尿酵素は数項目からせいぜい10項目程度である.健常者の尿酵素は血清,腎組織,腎盂から膀胱までの上皮細胞,女性生殖器の分泌物などから供給される.尿酵素はその分子量が尿中活性に大きく影響する.分子量8万以下の酵素は,血清中の酵素の活性レベルをよく反映した尿中活性を示す.そして活性値も高く,尿を濃縮せずにそのまま測定できる場合が多い.一方,分子量が9万以上になると,低レベルの活性値になる.しかし腎病変が生ずると,その程度に応じて大分子量の尿酵素も出現してくる.
ここではアラニンアミノペプチダーゼ(AAP,EC3.4.11.2,分子量約23万),アルカリホスファターゼ(ALP,EC 3.1.3.1,分子量7.5万〜16万),乳酸脱水素酵素(LDH,EC 1.1.1.27,分子量約14万)について述べる.
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