増刊号 尿検査法
II.各論
4.非蛋白性窒素化合物
(3)クレアチニン
大澤 進
1
1千葉大学医学部附属病院検査部
pp.96-97
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901081
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はじめに
筋収縮活動のエネルギー源であるクレアチンリン酸とADPはクレアチンキナーゼの作用によりクレアチンとATPを生成し,そのATPは主要なエネルギー源として利用される.クレアチニンは主にクレアチンリン酸から非酵素的な脱リン酸化反応によって,またクレアチンからも1分子の水が取れて生成する.クレアチニンはこれら代謝の老廃物で,腎糸球体で容易に濾過され,尿細管ではほとんど再吸収されない.
尿クレアチニン排泄量は筋組織量と相関し,筋ジストロフィー症といった筋萎縮による組織量の減少や甲状腺疾患でも低下する.そのほか,腎機能検査であるクレアチニンクリアランス試験として尿中クレアチニン値が利用される.
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