Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・8
クレアチン・クレアチニン
河合 忠
1
1自治医大臨床病理学
pp.1208-1211
発行日 1978年8月10日
Published Date 1978/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208002
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クレアチンの体内での動き
クレアチンは,アルギニン,グリシンおよびメチオニンの3つのアミノ酸から合成される.図1に示すように,主として腎においてアルギニンとグリシンからアミジン基転移酵素(transamidinase)のはたらきでグリコシアミンが作られる.次に,肝においてグリコシアミンは,メチル基転移酵素(methyl transferase)のはたらきによりメチオニンからのメチル基によってメチル化されてクレアチンが合成される.
次に,図2に示すように,クレアチンは血中を運ばれて筋肉にとり込まれる.筋細胞内にとり込まれたクレアチンはクレアチンホスホキナーゼ(CKまたはCPK)により触媒されてクレアチンリン酸と平衡を保ち,筋収縮に必要なエネルギー源としてのATPの供給に関係している.クレアチンの98%は筋肉に存在しており,400〜500mg%程度含有されている.
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