トピックス
PCRによるmecA遺伝子検出の試み
川上 小夜子
1
,
生方 公子
2
1帝京大学医学部附属病院中央検査部細菌検査室
2帝京大学医学部臨床病理
pp.448-449
発行日 1992年5月1日
Published Date 1992/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901043
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
黄色ブドウ球菌そのものは,各種の検査材料から高頻度に分離される菌である.近年,本菌におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が院内感染の原因菌として大きな問題となっているが,免疫不全状態にある患者や各種カテーテルの留置されている入院患者などにおいては,たとえわずかな菌数のMRSAであっても,あらかじめ把握しておくことが抗菌薬治療上からは重要となってくる.このような現実的問題から,DNAを特異的に増幅するPCR(polymerase chain reaction)法を応用して,検出菌がMRSAであるか否かを短時間に判定する方法が開発されつつある.以下にその概略を述べたい.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.