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小児腎疾患における尿中過酸化脂質
青木 孝夫
1
,
東野 博彦
1
,
木野 稔
1
,
小林 陽之助
1
1関西医科大学小児科
pp.447-448
発行日 1992年5月1日
Published Date 1992/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901042
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はじめに
好気性生物が生命を維持するためには酸素は不可欠であるが,酸素は有益な面だけではなく有害な面も有している.過酸化脂質は,体内の細胞膜に多く含まれている不飽和脂質酸と,大気中の酸素分子よりも活性が高く不安定な活性酸素との反応によって生じ,細胞にとっては有害物質となっている.
一部の腎炎,腎不全や腎移植後の血液再還流では,その病態の発現に活性酸素の関与が考えられている1).抗腫瘍剤のブレオマイシン,シスプラチンなどは,その薬効性に活性酸素が重要な役割を果たしており,抗生物質による腎障害にも活性酸素の関与がいわれている1).除草剤のパラコート中毒ではその強力な活性酸素作用のために腎不全になりやすい.
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