今月の主題 生体内の酸化と還元
技術解説
過酸化脂質の測定法
荻原 享
1
,
保田 浩
1
,
美濃 真
1
Tooru OGIHARA
1
,
Hiroshi YASUDA
1
,
Makoto MINO
1
1大阪医科大学小児科学教室
キーワード:
過酸化脂質
,
TBA反応物質
,
化学発光
Keyword:
過酸化脂質
,
TBA反応物質
,
化学発光
pp.262-267
発行日 1989年3月15日
Published Date 1989/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913927
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過酸化脂質は,生体膜の損傷による直接的な障害のみでなく,癌や動脈硬化など種々の病態との関連が注目され,その関心が高まっている.過酸化を受ける脂質は,主に生体膜中リン脂質に多く存在する不飽和脂肪酸や,コレステロールのステロール核などであるが,過酸化脂質とは,脂質が酸化されて生じたペルオキシド(-O-O-)構造をもつ各種の酸化産物の総称であり,しかもこれには二次酸化産物が含まれる場合もある.よって,過酸化脂質を測定する場合,方法によってその測定法が生体膜過酸化反応のどの段階を反映し,何をとらえているのかを十分考慮に入れたうえでデータを解釈する必要がある.本稿では,スタンダードなTBA法を中心に,最近注目されている化学発光を利用する方法などについても簡単に触れる.
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