トピックス
類血管腫型悪性線維性組織球腫
恒吉 正澄
1
1九州大学医学部第二病理
pp.244-245
発行日 1992年3月1日
Published Date 1992/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900987
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悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma;MFH)は軟部組織に発生する肉腫の中でも最も頻度が高く,中高年に好発する肉腫として知られている.組織学的には①通常型(花むしろ・多形型),②粘液型,③黄色肉芽腫型,④巨細胞型,⑤類血管腫型に分類されている.類血管腫型MFHは1979年にEnzingerが最初に提唱したもので,最もまれで,小児および若年成人に生じ,予後が良好なものである.組織学的には血管腫様の構造を備え,その周囲には線維性組織球性増殖がみられ,リンパ球などの著明な浸潤を伴う特有な像を呈する.1990年にCosta & Weiss1)らは108例をもとにした報告で,死亡したのは遠隔転移による1例のみで,本腫瘍は悪性よりむしろ良性と悪性の中間群に属するのがよいとしている.
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