検査ファイル
トキソプラズマ症の免疫学的検査
小林 昭夫
1
1東京慈恵会医科大学寄生虫学教室
pp.238
発行日 1992年3月1日
Published Date 1992/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900982
- 有料閲覧
- 文献概要
[1]感染と発症
トキソプラズマ(Tp)感染の存在は,Tp抗体を検出することによって,これを知ることができる.本邦人における感染率は年齢とともに増加し,年齢×2/3%というのが,その年齢でのおおかたの値である.この場合,感染者がすべて発症者というわけではなく,むしろ感染者のほとんどは不顕性感染者である.特別の場合(初感染妊婦,先天性感染児,免疫不全者の感染)を除き,単に血清反応が陽性であるということだけでは治療の対象とはならない.診断に当たっては,感染者と発症者とは区別して考える必要がある.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.