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血管内エコー法
森内 正人
1
,
斉藤 頴
1
,
鎌田 智彦
1
,
本江 純子
1
1日本大学医学部第2内科
pp.177-179
発行日 1992年2月1日
Published Date 1992/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900965
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血管内エコー法は高周波超音波カテーテルを血管内に挿入して,血管の内側から血管の形態や内部構造を診断しようとする新たな方法で,動脈硬化などの血管病変の診断に有力な手段となるものと期待されている.この血管内エコー法を用いると血管の横断面がBモードで描出され,血管壁のみならず血管の壁内構造の情報も得ることができ,病理組織所見と極めて類似した所見を生体で見ることができる(図1,2)1,2).
これまでに生体における動脈硬化病変を評価する方法として主に血管造影法が用いられているが,この方法では血管のシルエットが描出されるだけで病変を正確に評価することはできない.また最近開発された血管内視鏡でも血管をより詳細に観察できるようになったが,視野の確保には血液を排除する必要があり,また得られる情報はあくまで血管表面に限られている.これに対し血管内エコー法は,血液は超音波にとってむしろ良好な媒体であり,極めて簡便に血管の形態はもとより狭窄度や石灰化の有無など動脈硬化の程度を正確に把握できる.
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