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HTLV-I関連疾患/コラーゲン角膜シールド
山口 一成
1
,
西村 要子
1
,
馬嶋 慶直
2
,
広川 仁則
2
1熊本大学医学部附属病院輸血部
2藤田学園保健衛生大学眼科学教室
pp.173-175
発行日 1991年2月1日
Published Date 1991/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900531
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ヒトTリンパ好性ウイルスⅠ型(HTLV-I)が1980年に成人T細胞白血病(ATL)患者から分離され,その原因ウイルスと認知されたことは周知の事実であろう.その後,HTLV-IがATLのみならず,ある種の神経疾患(HAM/TSP)にも深くかかわっていることが明らかになり,HTLV-Iキャリアに起こる種々の病態にも広く目が向けられるようになった.
われわれはすでに慢性肺疾患,肺日和見感染,難治性皮膚真菌症,他臓器の悪性腫瘍,M蛋白血症,腎不全,糞線虫症などにHTLV-I感染の頻度が有意に高いことを報告してきた.その他,HAM/TSP以外に,最近ではHTLV-I関連気管支肺症(HAB),HTLV-I関連関節症などのHTLV-I関連疾患の提唱がなされている.疾患概念が一定のレベルまで確立したATL,HAM/TSPを除くHTLV-Iキャリアにみられる種々の病態をHTLV-I関連疾患と呼称し,解明が進んでいるところである.
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