増刊号 輸血検査実践マニュアル
各論
輸血感染症
HTLV-I
松元 大典
1
1鹿児島予防医学研究所研究開発室
pp.292-296
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903164
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HTLV-Ⅰ感染症
HTLV-Ⅰ(human T-cell lymphotropic virus typeⅠ)はヒトレトロウイルス科に属し,成人T細胞性白血病(adult T-cell leukemia;ATL)1)を発症させるがんウイルスとして,またHTLV-Ⅰ関連ミエロパチー(HTLV-Ⅰ-assosiated myelopathy;HAM)2)という,まったく別の神経疾患をも起こすという特異な性質から世界的に知られている.さらに最近では,眼のぶどう膜炎,気管支肺症,非リウマチ性関節炎,多発性筋炎などの発病の背景にHTLV-Ⅰの免疫機序への関与が指摘されるようになり,なおいっそう注目度を増してきている.
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