検査報告拝見 微生物検査
長崎大学医学部附属病院検査部
菅原 和行
1
1長崎大学医学部附属病院検査部
pp.1076-1077
発行日 1990年7月1日
Published Date 1990/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900323
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はじめに
細菌検査は,検索対象菌種により培養方法および培養日数が異なり,少なくとも数日間を要する.また,検出菌種が異なった場合も,同定・感受性試験などに要する時間が異なるため,検査成績は一括して終了することはなく,検査終了までに数回にわたって記載される.したがって,検査成績報告の迅速化を目的に,一項目記入するたびに仮報告を提出する方法もあるが,これでは臨床側では,最終報告までに4〜5枚の報告書を受け取ることにもなりかねない.このような場合,数多くの分野にわたって検査をオーダーする主治医は微生物検査のみ複数の報告書が提出されると,枚数上および結果解釈上の混乱(感受性菌群が前半に,耐性菌群が最終報告に限局した場合など)を招来する可能性が高いため,当検査室では中間報告は,特別に要請されたとき,もしくは穿刺液類などの本来無菌性材料から菌が検出されたとき以外は提出しない.したがって,主治医には必要なときに,病棟端末で調べていただくと,その時点で終了している検査項目内容はすべて確認でき,用紙での報告は最終もしくは追加報告のみしか出力しない仕組みである(抗酸菌は4週と8週の培養成績を出力).
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