検査ファイル
〈項目〉脱灰標本の類骨染色
佐々木 佳郎
1,2
,
吉田 力
3
1神奈川県立こども医療センター検査科
2神奈川県立こども医療センター病理科
3神奈川県立がんセンター検査科
pp.382-383
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900104
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はじめに
膠原線維と糖蛋白から成る有機成分の結合が類骨で,リン酸カルシウムを主とした無機成分の結晶が類骨上に付着したものが骨である.骨と類骨の組成上の相違は,無機成分の有無のみにあると考えられる.
骨組織を十分に脱灰することは,無機成分を除去して類骨のみを残すことを意味する.したがって,脱灰骨組織における骨と類骨の染め分けは,理論上極めて困難な問題を基本的に抱えるものであるといえる.これらの悪条件の中で,類骨のみを選択的に染める方法がいくつか工夫されてきた.ここでは,脱灰標本における類骨染色法としては,なお多くの問題を抱えている点を強調しつつ,該当すると考えられる代表的な三つの方法論を以下に簡単に紹介・解説する.
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