検査ファイル
〈項目〉血中・尿中トロンボモジュリン
田原 千枝子
1
1帝京大学医学部第一内科
pp.380-381
発行日 1990年4月1日
Published Date 1990/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900103
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トロンボモジュリンは血管内皮の細胞膜を構成する糖蛋白で,血管が持つ強い抗血栓作用の一面を担う物質として,最近注目を浴びている.
トロンボモジュリンはトロンビンと高い親和性を持ち,両者は1対1の複合体を形成するが,トロンボモジュリンと結合したトロンビンはフィブリノゲンに対する凝固活性を失うと同時に,ビタミンK依存性凝固因子であるプロテインCを活性化するようになる.トロンビンは単独でもプロテインCを活性化するが,トロンボモジュリンと複合体を形成したトロンビンは2,000倍も強いプロテインC活性化作用を表すようになる.活性化プロテインCは活性化凝固第V,第VIII因子を分解して失活化させ,凝固系のインヒビターとみなされる.
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