検査ファイル 項目
脱灰
中村 光男
1
1東京都老人医療センター病理部
pp.60-61
発行日 1987年1月1日
Published Date 1987/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203972
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病理組織標本を作製するうえで,石灰成分(主にCaなど)などを含んだ骨,歯,あるいは石灰化した病巣では,この石灰成分を除去しなければ,ミクロトームでの薄切は困難である.この操作を脱灰(decalcification)という.脱灰操作によって石灰成分は除去できるが,組織に傷害を与えることは免れない.主に組織の膨化と収縮などで,さらに診断するうえでヘマトキシリンに対する染色性の低下が,もっとも著しい障害である.
この傷害を避けるために数多くの脱灰法が考えられているが,完全な方法はない.それぞれの長所を利用して,適宜目的にかなった脱灰法を選択するのがよい.
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