Japanese
English
検査法
非脱灰骨組織標本の作成方法ならびに整形外科的骨疾患に対する応用
The Method for Undecalcified Bone Specimen, and its Application to Orthopedic Bone Disease
渡辺 正美
1
,
佐々木 佳郎
2
,
Webster S. S. Jee
3
Masami WATANABE
1
1横浜市立大学医学部整形外科
2神奈川県立こども医療センター病理
3Division of Radiobiology, University of Utah
1Department of Orthopedic Surgery, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
非脱灰骨
,
undecalcified bone
,
包埋
,
embedding
,
切片作成
,
sectioning
,
染色
,
staining
,
整形外科的骨疾患
,
orthopedic bone diseases
Keyword:
非脱灰骨
,
undecalcified bone
,
包埋
,
embedding
,
切片作成
,
sectioning
,
染色
,
staining
,
整形外科的骨疾患
,
orthopedic bone diseases
pp.579-584
発行日 1982年6月25日
Published Date 1982/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906560
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非脱灰骨標本は骨をできるだけ生体に近い状態で観察できるため,種々の代謝性骨疾患を初め,骨腫瘍,リウマチ,変形性関節症,ならびに大腿骨骨頭壊死などの整形外科的疾患の骨病変に関して,特に骨のremodelingを主体とした組織学的検索や付随した実験的研究に有用である.
通常の骨の脱灰標本による観察では,電気脱灰,またはEDTAや酸による脱灰操作により,骨組織中の無機質の性状が損われてしまうため,特に代謝性骨疾患に関しては,正確な組織学的診断を下すには十分であるとは言い難い.つまり脱灰骨標本の欠点としては,骨と類骨の判別が困難であり,したがって骨梁の表面に骨芽細胞が存在していても,そこで正常な石灰化が行われているかどうか不明であること,また,骨細胞腔の大きさや形状が,脱灰操作により変化してしまい,例えば,正確なosteocytic osteolysisの状態などが把握できないことなどである1).
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