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前回のエッセーで書いた,5月に米国のAI Pathology分野の学会で発表してから約半年が経過した.次は別の研究成果を米国・カナダの病理関連学会での発表を目指し,抄録を作成している! 今回の研究は柳田がラボに入ってから,コツコツとひとりで地道に続けてきた研究だ.なんとか発表したい!のだが……抄録を書くのって,こんなに難しかったっけ!? 何が難しいかって,英語だし,2,500文字だし(2,500文字って英語だとそんなに長い内容が書けないのよ!).その2,500文字に背景,研究デザイン,結果,結論をまとめる.そして,抄録受理率が約4割と噂の学会で発表枠を勝ち取れるだけの内容を書かなければならない.はい,無理ぃ!だが,無理は承知でやってみる(それが柳田です).しかし……抄録を作成し始めてから3カ月も経過しておるのだよ.ボスにダメ出しをされまくり,「ここの英語の表現,おかしい(笑)」「ひぃ〜,やっぱり英語できません〜」というやりとりも繰り返しながら.いや,本当にボスは気長だわ.何度も何度も……申し訳ない気持ちでいっぱいです…….
そして,共著の同僚や病理医,病理部門の偉い人(←表現っ)にも,抄録を添付して「この抄録で勝負したいのですが,どうでしょうか?」とメールを送った.病理部門の偉い人はお忙しく,「メールの返事もほぼ返って来ない」と同僚が言っていた.噂ではちょっと怖い?厳しい? とのこと.許可をもらえないのではないかとハラハラ.メールの文章を書いては直しを繰り返し,やっとメールを送信.すると2分後……「Yes, please do! Thank you.」と返事が来た.めちゃくちゃ速くて軽快な返事に笑ってしまった.あんなにハラハラしていたのに.だが,同僚と病理医からは「え?そんなに?」というくらいの量のダメ出し! 病理医から返ってきた文章の添削は,元の文章の影も形も残っていなかった……英語って難しいね(涙).同僚(プログラマー)からは,そもそもの内容に対するダメ出し.しかも,パソコンの画面が真っ黒に見えるほど,びっちり書き込まれた指摘内容.あ…ありがたいよね,こんなに真剣に考えてくれるんだもんね.とはいえ,それを見て膝から崩れ落ちる柳田.こんなに抄録作成に時間をかけたことは初めての経験なので新鮮ではあるが……抄録作成力と心が鍛えられている(←英語力は?).
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