扉
勝負脳を鍛えよ
田村 晃
1
Akira TAMURA
1
1富士脳障害研究所附属病院
pp.225-226
発行日 2009年3月10日
Published Date 2009/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100902
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北京オリンピックで北島康介選手が2個の金メダルを取り前回のアテネに続いて2連覇して日本中を熱狂させたが,そのさい北島選手が語った「勝負脳」という言葉が話題となった.
「勝負脳」は畏友林 成之教授(日本大学大学院総合科学研究科)の造語である.林教授は救命救急センター教授時代に脳低温療法で素晴らしい成果を上げたが,その研究の延長上に「勝負脳」という概念を出された.そして,オリンピック直前の合宿で競泳選手たちにレクチャーをされたが,中でも熱心に聴いていたのが北島選手であったという.林教授は著書「〈勝負脳〉の鍛え方」(講談社)などにも書かれたが,目標と目的を明確にして目標達成の具体的な方法を明らかにして実行する,最初から百パーセント集中する,相手の長所を打ち砕く,勝ち方のイメージを作る,脳の疲労を蓄積しないために競技を楽しむ,勝負の最中にリラックスしない,緊張しすぎたときの対処法としては自信と呼吸法を活用し結果を意識せず技に意識を集中させる,といった内容をレクチャーされたということである.
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