FOCUS
自然毒性食中毒の現状と検査法
岡田 光貴
1
1京都橘大学健康科学部臨床検査学科
pp.512-518
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209320
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自然毒とは
自然毒とは,動物や植物がもともと保有している有害成分や,食物連鎖を通じて動物の体内に取り込まれる有毒成分を指す.自然毒には,動物性自然毒と植物性自然毒が存在する.動物性自然毒による食中毒の主な原因は魚介類であり,フグ,バラフエダイ,ホタテガイなどが自然毒を有している.植物性自然毒による食中毒の主な原因は,キノコと高等植物である.キノコは生物学的には菌類であるが,食中毒統計上では植物として扱われている.高等植物とは根,茎,葉に分化する性質をもった種子植物やシダ植物を指す.高等植物では,馬鈴薯(ジャガイモ),銀杏,ズッキーニなどが自然毒を有している.
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