FOCUS
薬剤感受性検査の新たなアプローチ
小松 方
1
1天理大学医療学部臨床検査学科
pp.508-510
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209319
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はじめに
現在,国内の臨床検査室で実施している薬剤(抗菌薬)感受性検査は自動化が完全普及したことから,微量液体希釈法(broth microdilution method:BMD)を使用する施設が95%以上である.検査に使用する,多くのマイクロウェルが存在するマイクロプレートやマイクロカードは,それぞれのウェルに対して,容量が100μL以下レベルのミューラーヒントンブロスと検査対象とする抗菌薬が充塡されている.これに,被検菌液を接種し,米国臨床・検査標準協会(Clinical and Laboratory Standards Institute:CLSI)が規定した培養時間を経たのち,被検菌の増殖によるブロスの濁りを比濁法により測定して,MICを判定する方法が一般的である.しかしながら,抗菌薬適正使用(antimicrobial stewardship)の観点から,検査開始当日中に薬剤感受性検査結果が判明できるような手法の開発が,国内外で進んでいる.
本稿では,従来行われている一般的な検査法とは別のアプローチで開発されている迅速薬剤感受性検査法の新しい潮流について,今後の展望も含め解説する.
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