特集 自然毒食中毒
わが国におけるカビ毒による食中毒とその現状
杉山 圭一
1
,
小西 良子
1
1国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部
pp.350-352
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401101554
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
昨年9月に起こった事故米および12月に起こった汚染米事件により,食品を汚染するカビ毒が注目を集め,その健康被害への関心が急激に高まっている.カビ毒とはその名の通り,カビが産生する二次代謝産物のうち,ヒトや家畜に慢性,急性の健康被害を引き起こす化学物質を指す.カビ毒のような自然毒は環境中に常在するものであるため,気候や天候などで大きな影響を受け,根絶は不可能と言われている.また,カビ毒の多くは耐熱性であることから,加工工程等では容易には減毒しないため,食品衛生上きわめて重要な危害物質の1つである.
本稿では,食品に汚染する主要なカビ毒とその中毒を,誌面の許す限り紹介していきたい(表).
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.