臨床検査のピットフォール
臨床化学検査の分析前エラー—異常値発見に役立つ検査値を読み解く力
菅野 光俊
1
1福島県立医科大学保健科学部臨床検査学科
pp.154-158
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208903
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はじめに
日常検査では,患者の病態を反映しない,さまざまな原因による異常データに遭遇する.検査担当者には,病態を反映したデータ変動なのか,分析前や分析のエラーによる異常データなのかを検査データから判断し,適切な対応をすることが求められる.判断を誤ると重大な医療過誤につながる場合もある.異常データを見落とさないためには,極端値チェックや項目間チェック,前回値チェックなどをはじめとした,検査システムを活用した個別データ管理(リアルタイム検査データチェック)が適切に行われていることが必要である1).ただし,検出されたデータをどう判断し対処するかは,個人の力量により変化する.
本稿では,分析前エラーの事例について,判断を行ううえで注意するポイントについて解説する.
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