特集 動脈硬化-その成り立ちと臨床検査
2章 主要冠疾患危険因子の診断基準と臨床検査値
6. 喫煙と検査値異常
石川 俊次
1
Toshitsugu ISHIKAWA
1
1ソニー株式会社健康開発センター
キーワード:
喫煙
,
冠疾患リスク
,
脂質代謝
,
インスリン抵抗性
,
酸化ストレス
Keyword:
喫煙
,
冠疾患リスク
,
脂質代謝
,
インスリン抵抗性
,
酸化ストレス
pp.1249-1253
発行日 2004年10月30日
Published Date 2004/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100589
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はじめに
2003年の日本たばこ産業株式会社の全国たばこ喫煙者率調査によると,20歳以上の喫煙者率は男性48.3%,女性13.6%であり,経年的にみて男性は低下傾向であるが,ほかの先進国に比べて高率である.女性の喫煙者率はほかの先進諸国と比べて低率であり,横ばい傾向であるが,20歳代,30歳代の若い女性の喫煙者率が近年上昇している.たばこの煙にはわかっているだけで4,000種以上の化学物質が含まれており,喫煙者では各種の癌,虚血性心疾患,肺疾患,消化器疾患などの危険性が増加する.喫煙は能動,受動にかかわらず,動脈硬化性疾患のリスクとして極めて重要である.また,喫煙はほかの動脈硬化危険因子にも影響を与え,それが動脈硬化を促進する機構となっている.そこでここでは主に喫煙の脂質代謝,酸化ストレス,糖代謝などに対する影響についても述べる.
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