FOCUS
心房細動と認知症
長田 乾
1
1横浜総合病院臨床研究センター
pp.484-487
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207984
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はじめに
わが国の認知症高齢者は今後もさらに増加すると予想され,根本治療薬の開発が急がれている.しかしながら,アルツハイマー(Alzheimer)病を対象としたこれまでの根本治療薬の臨床治験はことごとく頓挫しており,現時点では,高血圧や糖尿病などの血管性危険因子の治療に加えて,栄養管理,運動習慣,社会参加などの危険因子の管理が認知症の最も有効な予防・治療手段と考えられている.認知症の最大の危険因子は加齢であり,認知症の有病率は加齢に伴って上昇し1),心房細動の有病率も同様に加齢に伴って上昇する2)ことから,認知症と心房細動は共通の基盤を有し互いに影響し合う病態が想定される(図1)1,2).本稿では,心房細動と認知症の関係性について述べる.
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