増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド
1章 こんなときどうする? 免疫染色の“困った”を解決
困った④ バックグラウンドが強い
乾燥吸着に問題がある
柳田 絵美衣
1,2
1慶應義塾大学医学部病理学教室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.981
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207331
- 有料閲覧
- 文献概要
乾燥吸着
■原理・原因
切片上に載せた抗体溶液が乾燥し水分が蒸発した場合,抗原の有無に関係なく,抗体が切片全体に吸着してしまう.たとえるなら,海水を蒸発させた後に残る塩と同じ現象である.
吸着した抗体に二次抗体,発色剤が結合,反応することで切片全体がDAB(3,3’-diaminobenzidine)発色により着色されてしまい,偽陽性像を示すため,診断の妨げになる可能性が高い.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.